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 2008年6月、秋葉で無差別刺殺事件が起きた。以下は昨年(2007年)に書いたものだが、変化はあまりにも速く、激しい。
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 2004年6月に、佐世保で女子小学生が同級生を刺殺するという悲惨な事件が起きた。きっかけはインターネット上でのトラブルだった。
 副知事の竹花さんから協力の依頼があり、NPOに応援を頼んだ。僕はそれまで、ネットの問題としては「デジタル・デバイド(ITに対応できないことの不利益)」しか考えていなかったのだが、大きな欠陥があることが見えてきた。
 もちろん、ネット以外・ネット以前の問題も山ほどある。心の空白にネットが入り込み、人格を変える。
 生身のあったかコミュニケーションが何よりも大事だと思う。それにしても、教育現場の疲弊が心配だ

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 09年7月、立て続けに事件が起きている。パチンコ店放火、ハローワーク職員にガソリンをかけ火をつける、13歳の少年が父親をナイフで刺殺・・・何が起きても驚かなくなっている自分に気がついている(09.7.10)

21世紀型寺子屋(2006.11)


ネット社会と子どもたち協議会  
http://net-society.org/index.html
 2004年7月に都庁で緊急フォーラムを開催して以来、短期間に議論を重ね、9月に「ネット社会と子供たち協議会」を設立、10月には緊急提言を発表した。
 その後、「おやじ日本」との連携も含めて、ネット子どもの問題を考えるネットワークに成長している。
 同会のサイトは、この分野で最高のコンテンツで構成されている。
■2004年7月15日 NPOと東京都が連携して、約120名で緊急フォーラムを開催。
■2004年9月8日 約300名が参加し、緊急提言(素案)を採択し、ネット社会と子どもたち協議会を設立。
■2004年10月27日 「ゆたかなネット社会の形成と子どもたちの健やかな成長のために(緊急提言)」を採択して東京都青少年育成総合対策推進本部および第26期東京都青少年問題協議会に提言。
■2005年2月東京都と協働で青少年健全育成関係者・団体用の資料集を作成。

インターネットの何が問題なのか?
1 犯罪者があらゆる犯罪を仕掛けている。インターネットの匿名性が犯罪者の安全を保証している。
2 善意の子ども大人も無防備である。子どもの携帯には、親にも教師にも誰の目にも触れずに、あらゆる情報が入ってくる。
3 子ども同士の情報流通(プロフという「放送局」もある)が最も有害であるという有力な意見がある。これほど進化が早い。三年前にはなかった事態であるが、全貌はつかめない(ちうか、つかんだときには、すでに事態が進展している)。
4 ゲームは反射神経を養い、現実世界での心理的制約を除去する(例えば、殺人や自殺へのためらいがなくなる)。米軍の訓練に利用されているぐらいだ。

インターネットをなくせばよいのか?
 「インターネットをなくせば良い」というわけにもいかないだろう。たとえば、大地の異変(大地震の連発)、環境の異変(地球環境問題の加速)への対応に対し、インターネットは重要な役割を果たしている。国際問題の理解もしかり。
 インターネットは「どこでもドア」と同じぐらい便利で刺激的だ。だから、問題も大きい。生身のコミュニケーションを重視することと同時に、インターネットの使い方について、社会自らがルールをつくることが必要だと思う。
1 リスクの全容を明らかにし、認識を共有すること。
2 リスクの高い事柄については、適切な規制を行うこと。

教育の現場について
 地元で、教育現場と話しあう機会が増えた。大変な状況になっていると感じている。現場は疲弊している。
 何か事件があるたびに、マスメディアを含めて誰もが教育現場を批判する。しかし、生活習慣のできていない子どもたちが学校に入り、学力、しつけ、犯罪や災害からの防御、いじめや自殺への対応、ネットの問題など、あらゆることが学校現場に求められている。教師も生身の人間、現場のせいにすればよいわけではあるまい。今こそ、地域社会の支えが必要だと思う。
 地元の学校現場を支援する役割を果たせればと思っている。
 団塊の世代の大きな役割の一つが、このあたりにあると思う。